あなたは誰かと話している時に、
その時の自分の声を耳にして、
どこか芯がない感じだったり、
息が抜けるような感じがしばらく
続いたという経験はありませんか?
特に風邪を引いてもいないし、
前夜にカラオケで歌い過ぎたわけでもない。
なのに、声を出してみたら声がスカスカ。
いつもと特に何も違わないはずなのに、
普段より芯のない声が出たことに
微妙な戸惑いを覚えながらも、
よほどうるさい場所でなければ、
会話するのにそれほど支障はない。
もしかしたら、歌う時にそういう状態に
なった人もいるかもしれませんね。
こういう声は、ヴォイストレーニングの世界で
「息漏れ声」と区分されるようです。
そして、「息漏れ声」は、
○息が必要以上に出ている
○声帯がキチンと合っていない
ことによって出る声と定義されており、
改善のためのトレーニング方法もあります。
確かに、上記の定義は合っていると私も思います。
ただ私は、まずトレーニングする前に
『「息漏れ声」になった背景』
を捉えた方がよいのでは、と感じています。
そして、実際にその背景を捉えて、
それに気づけただけでも声に芯が戻る
可能性は十分ある、と私は感じています。
では、『「息漏れ声」になった背景』とは
どういうものでしょうか?
それは、以下のようなことです。
○今いる場所(環境)に対する精神的苦痛やストレス
○悩みや不安を抱えている状態
○知らず知らずに溜め込んだ緊張
これらは自覚・無自覚の両方があると思いますが、
どこかで自覚しつつも普段から抑え込みがちで、
周りに気付かれぬように平静を装っている
パターンが多いのでは、と私は捉えています。
例えば、勤め先で上司からパワハラを受けていて、
その上司と話す時に声が普段より芯がなくなり、
やがて会社に行くこと自体がツラくなり、
上司以外の人と話す時も声がスカスカになる、
ということもあるのです。
声・身体・心はそれぞれの映し鏡のような存在です。
そして、まず身体と心が整うことで、声も整うんです。
もし、普段よりも声が出づらくなって、
芯のない声になってしまうようなことに気づいたら、
○今いる場所(環境)に何か精神的苦痛やストレスを抱えていないか?
○今何か抱えている悩みや不安をそのままにしていないか?
○身体がどこかしら緊張していないか?
○時折息を止めたり、呼吸が浅くなっていないか?
といったことが自分の内側で起こっているかどうか、
をふと確認してみてはいかがでしょうか?
確認してみると、自分の心や身体のどこかが
キューっと硬くなっているのではないでしょうか?
それが見つかったら、
『あ、今自分は○△○△な状態なんだなぁ〜』
と認めてあげましょう。
そして、できるだけ早い内に休憩を取るなり、
お気に入りの音楽を聴くなり、
外に散歩に出かけるなりしてあげましょう。
必要なら、身体や心の緊張をほぐす専門家の
助けを借りるのもよいですよね。
これは、私自身が今でも行っていることですし、
「声の調律」のセッションでもお伝えしていることです。
声に芯がない状態の方にとってお役に立てたら幸いです。
※羊も泣き声に芯がなくなることがあるんでしょうかね〜?
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