時折、クライアントさんからこんな質問をいただきます。
「前回ロルフィングを受けた直後は足裏がしっかり着いて歩きがスムーズな感じだったんですが、最近戻ってしまって……」
「アーテム・トーヌス・トン(声と呼吸のレッスン)を前回受けた時はできた動きが、今回は上手くできません」
そのような質問をされる方のお気持ちはとてもよくわかります。
かく言う私も以前そのような感覚があり、自分自身が受ける側だった時に同じような質問をしたことがありますから。
きっと、これから受けようとお考えの方もそうお尋ねになりたいかもしれませんね。
それらの質問をいただいた時に私は、
「大丈夫です。戻ってませんよ」
「前回できたことが今できないと感じたことが素晴らしいです!」
ということをまずお答えしています。
決してクライアントさんを説き伏せようとしているわけではありませんよ(笑)。
実際に、身体の状態が戻っていないことや、どうして動きができないかということについて、その方の状態を拝見しながらできるだけ具体的に体感いただけるようお伝えします。
その上で(ここからが今回の本題なのです)、
「比較モードから離れて、“今”の状態を全身で味わってみるようにしませんか?」
と続けてお伝えします。
というのも、そういう時のクライアントさんの状態は、ひと言で言うと、
『“今”から離れている状態』
『過去から“今”を感じようとしている状態』
だと私は感じているからです。
そして、これは変化するためにとても大きなチャンスだとも私は感じています。
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ヒトは何かと周りと比較したりすることがありますが、それは自分自身の状態についても意外と行っていると感じています。いかがお感じでしょうか?
わかりやすく言えば、
「若い頃はあれだけ動けたのに、最近は……」
なんていうのが自分自身の状態の過去と今との比較です。
単純にそういう比較に意味がないことはすぐにおわかりいただけると思いますが、意外と施術やレッスンの際に似たような時系列の比較を持ち込みがちだったりするのです。
すごいよい変化を感じたり、とてもラクに動けたりした時は嬉しいものです。
ですが、それはその時にしっかり体感で味わい切れば十分で、その後もずっと大切な思い出のように取っておく必要は実はないのです。そうした時点でそれは「思考」になっています。
思考(記憶)はけっこうあいまいなものですから、時間の変化と共に変化したりもします。すると、「あの時は……」という比較をして、「あの時よもう1度」というモードに入ると、“今”の状態を感じることからますます遠ざかってしまいます。
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また、施術やレッスンによって長い間かけて身についていたパターンが取れて心地よい感覚を味わったとしても、これまで無意識に行ってきた「当たり前な」パターンとは違う動きなどを行うことになるので、思考が「違和感」として受け取るようなこともあります。
人間は、何かと現状維持が好きな生き物ですから、ラクな状態よりも、これまで長年行ってきた「当たり前な」状態を再び選択しようと潜在的に働くこともありえるんです。例え、その「当たり前な」動きなどが自分を痛めてしまうものだとしても……。
更に、変化した感覚が馴染んでくることで、時間と共にそちらが「当たり前」になっていき、さも「戻ったのでは?」と感じることすらあります。
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だからこそ大切なのが、
『常に“今”の状態を全身(体感)で味わうこと』
なんです。
それは時に「おぉぉ!」とか「ん〜〜♬」というような言葉にならない感覚です。
または、上の写真のような水面を眺めるような静寂のひと時のような感覚かもしれません。
そして、その瞬間瞬間に“今”の状態を感じることを続けると、“今”の状態のクオリティ自体が上がるというのがこれまでの活動で感じていることです。
その積み重ねが、後々振り返ってみると、大きな変化につながっていることに気付いたりするのです。
もし、今何か習い事をされていたり、新しいことに取り組んでいることがあったりする方も、この『常に“今”の状態を全身(体感)で味わう』 という捉え方はけっこう役立つと思いますよ(^^)。
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Groove&Flowでは、
・ロルフィング®
・アーテム・トーヌス・トン(声と呼吸のレッスン)
・クラニオセイクラル・ワーク
といった施術やレッスンを通して、“今”の状態を全身で味わうサポートを行っております。
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