【「声の調律」が生まれた背景〈その4〉】

※これまでの【「声の調律」が生まれた背景】をまだお読みでない方は、こちらからどうぞ。

【「声の調律」が生まれた背景〈その1〉】
【「声の調律」が生まれた背景〈その2〉】
【「声の調律」が生まれた背景〈その3〉】

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世界にも珍しいヴォイス・トレーナー向けのクラスを持つイギリスの学校を見つけ、退職後はその学校への留学を目指したものの、不合格となった私。

実は、この出来事と相前後にして「声の調律」のベースとなる2つのワークと立て続けに出会ったのですから、人生なんとも不思議なものです。

まず1つがロルフィング®

ちょうど、イギリスの学校への入学書類や課題を提出した頃に日本初のロルファー™(ロルフィング施術者)養成トレーニングが東京で行われていました。そこで、トレーニング生のロルフィング実習のために外部からクライアントを募集していて、キャンセル待ちで申し込んでいたら、直前でキャンセルが発生したため受けられることになったのです。

ずっと受けてみたいと思いながらも、今一歩踏み出せない状態が続いていたロルフィング。ひょんなきっかけで10シリーズという10回からなるセッションを受けたのですが、数回受けたところで、自分の声に変化が出始め、今までにない響きが感じられ、ラクに声が出るようになってきました。

『これは発声に役立つ!』

姿勢や動きなど身体の状態がラクになっていくことと声の変化がリンクしていることが自らの身体で感じられたのは大きな発見でした。

しかも、トレーニング中で先生やトレーニング生達に見られる中で受けるという特殊な経験は、結果的に後々自分がトレーニング生となった時に役立つことになったのですから、これまた人生おもしろいものです(^^)。

そして、もう1つがアーテム・トーヌス・トン(以下ATT)

イギリスの学校から不合格通知が届いた直後、現在新国立劇場演劇研所の講師をされている池内美奈子さんのワークショップに私は参加しました。彼女は、私が目指したクラスの当時唯一の日本人卒業生で、私が入学試験を受けるに辺りいろいろとサポートしてくださった方でした。彼女が落ち込んでいた私に「気分転換も兼ねておいで」と声をかけてくださったのです。

ちょうどロルフィングを受けていて身体と声の変化を楽しんでいた私にとって、様々な動きや演劇的メソッドを通じた発声へのアプローチはとても新鮮でした。私以外の参加者のみなさんが全員これまで様々なトレーニングを積んできた役者さんだったことも刺激的でした。

そして、その参加者の中のお1人が、声に関する著書を多数出していた耳鼻咽喉科の米山文明先生をご存知で、連絡先を教えてくださったのです。米山先生の著書は数冊読んでいましたが、高名なお医者さん&著者の方だから、と勝手に敷居を上げて連絡先を調べようともしていなかった私(^^;)。「大丈夫よ。気さくな方だから」とのその方の言葉に背中を押していただき連絡を取り、渋谷にある診療所にうかがいました。

私は対面したばかりの米山先生に思いのたけをぶつけました。ニコニコしながら私の話を聞いてくれた先生は、「君みたいな若者がいるなんて珍しいねー!」とおもしろがってくれて、海外で発声について学んできた方を数名紹介してくださり、さらに「ウチで月1回発声の教室を開いているから1度いらっしゃい」と声をかけてくださったのです。その教室で米山先生の奥様が教えていらしたのがATTだったのです。

早速直近で開催された教室に参加したのですが、初めて受けた時は何が何だかさっぱりわからずに混乱した、というのが正直な感想でした。ただ、身体はなんだかラクになるし、周りに某局のアナウンサーさんや声のプロとおぼしき方々が多数参加されているし、実際に教室の終わり頃に皆で声を出した時に周りから聞こえてきた声の心地よさに『これは何かあるぞ』と感じたのです。

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こうして、ロルフィングとATTという2つのワークとの出会いが一気にやってきました。まだこれら2つの接点はほとんど見えていませんでしたが、2つともピンと来るものがあったことは共通していました。

しかし、その時の私は、ロルフィングのような施術をできるような器が自分にあると思えませんでした。更に、ATTはそもそも体験したばかりでしたし、ATTの指導者になるには当時ドイツに行くしかルートがなかったので、ドイツ語を学ぶところからスタートするのはとても現実的な進路には思えませんでした。

そこで、私は米山先生のご縁でお会いしたボストンの大学院でヴォイス・セラピーを学ばれた発声指導者の方のアドバイスをきっかけに、ボストンに渡ることにしたのです。

ただ、私のバックグラウンドでは直接ヴォイス・セラピーの大学院レベルのクラスには入れないので、コミュニケーション系の大学院に入り、そこからルートを切り開くという道を取ることにしました。そのためにも、まず大学院に入るために英語力を早急に身につけようと、日本で準備するのではなく、現地の語学学校に通いながら入学準備をすることに決めて、2002年7月末からボストンでの生活をスタートさせました。

〈その5〉へ続く。

※あぁ、今こうして振り返って文字にしてみるとThe Long and Winding Roadですね……(^^;)。でも、ショートカットするのも何なので、ここまで来たらしっかり書きますよ〜w。もうしばらくのお付き合いの程を!

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